求不得苦(「義経」関連) その4

大河ドラマ「義経」には、私の住んでいる石川の地が関連した場面が出てきます。

みなさんご存知の「勧進帳」です。

この「勧進帳」のシーンについても述べておきたいと思います。

 

越前から加賀にたどり着いた義経主従。
そこには、安宅の関があった。
関守は富樫泰家(石橋蓮司)。
昼行灯と呼ばれているが、実はキレもの。

義経主従は、怪しい山伏一行と疑われる。
しかし弁慶が機転を利かせ、東大寺大仏殿修理の勧進をしている旨を言う。
弁慶は白紙の巻物を広げ、それを勧進帳として朗々と勧進の言葉を述べていく。

ようやく安宅の関を通ることができるか…と思われたが、富樫は、山伏の一人が義経に似ており、しかも笛を持っていることに気づく。
その山伏(義経)を呼び止め、「お前は義経ではないか?」と迫る。

弁慶は、とっさに義経の懐にある笛を取り出す。
それは、義経の恋人、静から受け取った大切な笛だった。
それを知りながら、「盗んだか!」と叫ぶ。

弁慶はその笛を踏み割り、金剛杖で義経を打ち据える。
涙を流しならが義経を折檻する弁慶。
その様子を見て、他の郎党も涙を流す。

関守の富樫は、その山伏が義経であると確信する。
しかし、弁慶やその他の郎党の義経を思う気持ちの深さを知る。
そして富樫は、義経主従が安宅の関を通ることを許す。

 

義経・弁慶ももちろんいいんですが、関守の富樫泰家がこれまたシビレます。

このシーンも、関守の富樫を演じている石橋蓮司さんの演技が、とても素晴らしいと感じていました。

昼行灯を装って、酒に酔って詮議の場に出てくる様子。
キレものであることが、だんだんと分かってくる詮議。
折檻している弁慶を見つめる目。
そして、義経主従の後ろ姿に深々と一礼をした際に、地面に落ちている「踏み割られた笛」を見つけたときの表情。

これらは、今でも私の記憶に残っています。

 

私の心も癒されて、少し上向きになってきました。

さあ、今日はローラー練習会。

頑張って走ります!

 

追伸:

昨年の11月27日、このブログで「判官びいき」という投稿をしていますが、その中で「義経・弁慶 勧進帳ツーリング」について述べています。

 

私が、なぜ、義経、弁慶、勧進帳にこだわるのか、その理由が分かりました。
私は、大河ドラマ「義経」が好きだったんですね。
今回、求不得苦に始まったブログを書きながら、自分でそれを認識しました。

 

今年のどこかで、「勧進帳ツーリング」、是非やりたいと思います。

求不得苦(「義経」関連) その3

今日は昼寝をして寝過ごしてしまい、トレーニングをサボってしまいました。

雪かきその他で疲れているのか、ちょっと生活のリズムが狂ってきて、トレーニングへ向かう気持ちも揺らいでいます…

 

このところ少々メンタルをやられ気味の私が、「求不得苦」にまつわる話として、大河ドラマ「義経」の印象的なシーンについて投稿してきました。

今日の内容も大河ドラマ「義経」のシーンに関するものですが、今回は「求不得苦」に関するものではなく、「絶望の淵にあっても」…という内容です。

 

元々は源氏である木曽義仲(小澤征悦)だが、宇治川の戦いで鎌倉方の義経に敗れ、その首は京都・獄門に晒される。

戦ったとはいえ、義仲には同じ源氏としての情を感じていた義経は、複雑な思いで獄門に晒された義仲の首を見つめる。
そこに、義仲の愛妾だった巴(小池栄子)が、落ちぶれた姿で現れる。

義経を見つけた巴は、恨みで目を血走らせる。
そして、自分も死ぬことを覚悟して義経に斬りかかろうとする。
しかし義経は、「憎しみが人を強くするともいう。生きるために、私を憎みなさい。」と言って巴の手を押さえ、静かに送り出す。

(これが伏線となります)

 

その後、一ノ谷、屋島、壇ノ浦と源平の戦いが続き、義経の大活躍で平家は滅亡。
源氏の大勝利。
鎌倉幕府、そして頼朝が権力を握る。

しかし、平家追討の大功労者である義経が、今度は、兄・頼朝から追われることになる。
そして、山伏に変装した義経主従の逃避行が始まる。
吉野、京都、伊勢、近江、越前、加賀…と逃げ延び、平泉を目指すが、その最中、季節は厳しい冬を迎える…

 

とある山の中、外は吹雪。
農家の離れ、粗末な納屋を借りた一夜の宿。
囲炉裏を囲んで暖をとる義経たち。
そこへ、赤ん坊を背負い夕食を運んでくる農家の若妻。
なんとそれは、獄門の前で義経を襲おうとした巴だった。

義経以外は巴の顔を知らない。
なので、誰も気に留めない。
しかし義経は、それが巴であると気付く。
巴も義経と目を合わせ、少し驚く。
しかし、今は穏やかに暮らしている様子の巴。
そのまま夕食を渡すと、静かに納屋を出て行く。
義経も納屋を出る。

 

義経は巴に言う。

母になったのですね。

 

巴は答える。

はい。
私は、あなたに生かされました。
生きてさえいれば、いつか静かな暮らしがやってきます。
あなたも諦めず、どうか生きてください。

 

このシーンも、とても印象に残っています。

大河ドラマはどれもそうですが、脇を固める俳優陣の演技が素晴らしいと思います。
このシーンも、小池栄子さんの演技が光る名シーンだと思います。

 

絶望の淵にあっても、生きることを諦めない。

そのときの想いは叶えられなくても、生きてさえいれば、必ず道はある。

 

うーん、心に響きます。

今の私には、なぜか大きなインパクトを与えます。

 

でも、私のメンタル、本当に大丈夫でしょうか…

求不得苦(「義経」関連) その2

昨日投稿した、私が求不得苦について知るきっかけとなった大河ドラマ「義経」のシーンには、それが伏線となった展開があります。
ここでは、その展開についても述べてみます。

 

義経は、兄である頼朝からの「肉親の愛情」がほしい。
しかし、それが得られないからこそ苦しむ。
師の覚日からは、「得られないなら、いっそ打ち捨てよ」と言われるが、すでに、色々な「しがらみ」に縛られている義経は、「捨てることはできない」と答える。

その後…

義経は、壇ノ浦の戦いでも大活躍、そして平家を討ち滅ぼす。
その際、時の天皇・安徳天皇、その母である建礼門院・平徳子(中越典子)、安徳天皇の異母弟である守貞親王も、平家一門と共に壇ノ浦の海に入水する。
しかし、建礼門院と守貞親王は助けられ、京都・大原の寂光院に連行される。

 

義経は、建礼門院と一緒に助けられた守貞親王が、実は安徳天皇ではないか…と疑っています。
ただ、そのことは弁慶には告げず、共に寂光院を訪れます。

 

弁慶は外に控えていますが、義経は中に招かれます。
部屋に通された義経は、建礼門院と対峙して尋ねます。

庭でお見かけした守貞親王は、安徳天皇に似ておられるのでは?

 

建礼門院は、一瞬凍りついた表情になります。
しかしそれを押し殺し、義経からの問いには直接答えず、次のように返します。

私はこれまで、父である平清盛(渡哲也)に言われた通りに生きてきました。
それは、平家一門の繁栄のため…ということでしょう。
しかし、平家が滅亡した今、ようやく一切のしがらみを捨て、自分のことが自分で決められるようになりました。
守貞親王(実は安徳天皇…)も、この後は世俗を捨て、仏門に帰依し、亡くなった者の菩提を弔って生きて行かせようと思います。

 

義経は、助けられた守貞親王が、「本当は安徳天皇である」…と確信します。
しかし、次のように答えます。

私も、色々と思い煩うことがあります。
師の覚日様からは、「いっそ打ち捨てよ」と言われましたが、私は捨てることはできませんでした。
しかし、あなたは今、世俗を捨て、しがらみを捨てると仰った。
あなたはお強い。
この後は、どうか「守貞親王」と共にお暮らしください。

 

頼朝からの兄弟愛を受けることはできないが、敵方の平家には情けをかける義経。

建礼門院は、見逃してくれたことに感謝の言葉を掛けたいけれど、そうすると、守貞親王が実は安徳天皇であることを公に認めてしまうことになり、それもできません。

せめて…との想いから、建礼門院は静かに黙礼をして、深い感謝の意を示します。
そして義経も、何も知らない弁慶と共に、穏やかな心で寂光院を去って行きます。

昨日のシーンも印象的なのですが、このシーンも、建礼門院を演じていた中越典子さんの緊迫した演技もあって、非常に印象に残っています。

 

うーん、これも深いですね。

 

何か決断を迫られたとき、自分だったら、それまでのしがらみを捨て、本当にゼロベースで判断できるだろうか?

そして、利害が反する相手等に、譲歩したり情けをかける、そんな深みのある人間性を示すことができるだろうか?

そんなことを考えたりします。

 

やはり、今の私のメンタルには、リフレッシュが必要なようです…

求不得苦(「義経」関連)

今日からローラーを再開しようと思っていましたが、夕方まで色々と打ち合わせがあったのと、ギックリ腰になったことのある腰の右側に違和感があったため、トレーニングは明日からに延期としました。

オートバイに乗っていたときの事故や転倒の影響から、私の場合、疲れてくると、まず腰の右側がダル痛ーくなってきます。
そのまま無理をしてギックリが再発したときもあり、私は、腰に違和感があるときは用心しています…

 

さて、今日は自転車以外の話題からです。

 

仏教に、四苦八苦という言葉があります。

生きること、老いること、病気になること、死ぬこと。
これらは根本的な苦しみとして「四苦」と言われます。

愛する者との別離、怨み憎んでいる者に会う、求める物が得られない、肉体と精神が思うままにならない。
これらを加えると「八苦」。

 

この中で、「求める物が得られない」ことを「求不得苦(ぐふとくく)」と言いいますが、私には、この言葉を知るきっかけになったドラマがあります。

それは、大河ドラマ「義経」です。
ドラマの中で、義経役のタッキーが「求不得苦」について述べるシーンがあり、私にはそのシーンが非常に印象的でした。

 

義経(滝沢秀明)は、兄である頼朝(中井貴一)から弟として愛されたい。
しかし、平家との戦いでどんな大活躍をしても、頼朝から褒めてもらえることはなく、ねぎらいの言葉もない。
そればかりか、逆に冷たい仕打ちを受けてしまう。
義経は、何よりも頼朝からの肉親の愛情を求めているが、悲しいかな、それは得られない。

求める「頼朝からの愛情」が得られないからこそ、義経は苦しむ。
それを見て、家来の弁慶(松平健)も、やはり苦しむ。

 

鞍馬寺の御堂に籠り、毘沙門天の前で一心に祈る義経。
御堂の外に控えながらも、義経を案ずる弁慶。

その義経に、「得られないなら、いっそ(源氏、そして武士としての立場、つまり頼朝との絆を)打ち捨てよ」と、師の覚日(塩見三省)は伝えます。
しかし、義経は「捨てることはできません」と覚日に答えます…

 

うーん、深いですね。

今日はなぜか、このシーンを思い出しました。

仕事がうまく進んでいないからなのか、心に何か満たされないものがあるのか…

 

明日、明後日は、仕事はお休み。

この週末は雪かきからも解放されて、しっかりリフレッシュしたいと思います。

 

追伸:

このところの私であれば、もっと下世話なことになってしまいます。

いろいろなロードバイクがほしい、そのロードバイクで速く走る足がほしい。

求める物が得られないからこそ、私は苦しむ…

 

苦しみから逃れるためにも、この週末はローラートレーニングに精を出したいと思います。

いい筋トレ その3

北陸では平年の倍以上の積雪が記録されました。

この三連休は、雪かき、雪かき、雪かき…と「いい筋トレ」三昧の毎日で、現在は全身筋肉痛となっています。

町内主要道路 除雪完了

上の写真で左右に通っている道路は町内主要道路で、昨日の夕方までは圧雪が30cmほどありました。

一昨日までの寒い気温のときは圧雪もカチカチで、その状態であれば、まだ車で道路を走ることができます。
しかし、昨日の金沢は晴れて気温が上がり、カチカチだった圧雪が融けてシャーベット状になったことから、通る車、通る車が、次々とスタックしていきます。

「これは、もう、どうしようもないなぁ」…と思っていたら、主要道路の圧雪/シャーベットは、昨夜、金沢市から委託された業者により、大型ホイルローダーと大型ダンプを使った除雪が行われ、アスファルトが見える状態になりました。
(ダンプに積み切れなかった道路の雪は、田んぼに捨てられていますね)

これで主要道路でスタックすることはないでしょう。

 

しかし、一本入った路地までは、業者も除雪はしてくれません。
そこは、ご近所さんと協力して除雪する必要があります。

今こそ除雪機の活躍のシーン…となるのですが、残念ながら、肝心なときに役に立たない我が家の除雪機。

故障した小型除雪機 部品が届かず修理できず…

その状況ですが、ウィリエール(元カノ)と同様、部品の納期が未定で、修理が終わって手元にくる時期の見通しが立っていません。

 

「もう、なんとかしてくれ!」ということで、連休最後の月曜日、スズエさんに(やや強引に…)頼み込み、大型の除雪機を貸し出してもらいました。

代替の大型除雪機 強引に借りた…

この大型除雪機。
いやー、スケール、でかいです…

エンジンは、ガソリンではなくディーゼル。
馬力があります。
そして、エンジンからの爆音も、これまた凄まじい。
重さと馬力で、凍った圧雪もある程度は砕いて除雪できます。

 

家の通り、そして家の後ろにある納屋の通り。
それぞれの前から、田んぼをはさんで主要道路までの約30m。
この区間は、シャーベットになった圧雪にタイヤを取られ、スタックする車、数知れず…
その度に、ご近所さんと一緒になって車を押すのもなんだかな…ということで、この大型除雪機でスッキリ除雪しました。

人力で、スコップやスノーダンプをだけを使ってその区間の除雪をするのは、どれだけ時間がかかるか、ちょっと想像ができません。
少々強引に代替機をお願いした経緯があるので、スズエさんには悪かったと思っていますが、「代替機をお願いして良かった」…本当にそう思います。

 

今日の夕方からも、OKDさん宅の近くにある一人暮らしの老人のお宅の玄関先、および家の前の道路を、この大型除雪機を使って除雪しました。

その際、除雪機で飛ばした雪をそのまま捨てられる場所が近くになかったため、

私は大型除雪機を運転/操作して、積もった雪を前方に飛ばしながら、
OKDさんは軽トラを運転して、飛ばされた雪をコンパネを立てた荷台で受ける…

という、除雪業者顔負けの連携プレー/秘技を発揮しています。

この除雪が終わってから、さらに、車が通るたびにスタックしているOKDさん宅近くの路地や交差点の圧雪も、この連携プレー/秘技で除雪しました。

 

寒波による大雪で、ロードバイクでの実走はできませんし、毎日の雪かきでローラートレーニングもできません。

それでも、大雪による影響は悪い面だけではなく、除雪による「いい筋トレ」、それにご近所さんとの協力や連携など、ちょっといい面もあったような気もします。

大雪の北陸も、捨てたものでは無いかもしれませんね。

 

とはいえ、すでにスキー場にはたっぷり雪があるそうなので、これ以上、雪は降らなくていいんですけど…