Exakt 本当に Exact? 再び…

今日は、9月29日(金)。

お天気は快晴で、気温もお昼には30℃近くまで上昇しているようで、暑さがぶり返しています。

暑い中ではありますが、お昼休みの時間を利用して、明日のライドに使用するフォーカスのパワーメーターの設定を行なってみました。

 

フォーカスに取り付けたパワーメーターは、現時点で取り付け先が無くなっていた、ペダル型の「ルック SRM Exakt」(「早朝走行会」)です。

 

「ルック SRM Exakt」は、当初ウィリエールに付けていました。

しかしこのペダル型パワーメーターは、取り付け時点の注意事項(ペダル軸の取り付け角度の設定)がシビアで、少しでも角度がずれてしまうと、表示されるパワーがゼロになってしまいます。

このため、パワーとして表示される値がおかしくなる都度、取り付け角度をチェックする作業を繰り返す必要がありました。

それが面倒になってしまい、使用頻度の高いウィリエールには、同じペダル型ですが取り扱いが神経質ではない「ファベーロ・アシオマ」を付けることにしました。

ただし「ファベーロ・アシオマ」にも欠点があって、クリートを外しにくく、注意しないと立ちゴケをするリスクがあります(「クリートの違い」)。

これは、クリートを外す際には、つま先側に足を押し付けながら外すことで、何とか対処しています。

 

帯に短し襷に長し…

世の中、なかなかうまく行きませんね。

 

 

さて。

「パワーメーターを取り付けて、ガーミンにセンサーを認識させないと」…

ということで、まずはボツにしていた「ガーミン Edge520」を取り出し、それに諸々のセンサーを認識させます。

そして、パワーメーターのペダルを取り付けてそれをEdge520に認識させる…までは順調に進みました。

 

ところが、ウィリエールで経験したケースと同様、パワー値が「ゼロ」と表示され、まったくパワーが計測できません。

 

えーっ、ちゃんと治具を使って正しい角度で取り付けたんだけどなぁ…

色々試してみても、パワー値が計測されない現象は変わらず。

 

 

うーん、今回は、原因がまったく分からない。

もしかして、内部のセンサーが壊れたか?…

 

そう思いながら、治具の「六角レンチ」部分の受けの箇所をチェックしていると、何やら意味ありげな青色のマークを発見。

 

六角レンチを受ける「六角形の穴」には6つの頂点がありますが、なぜかそのうちの1つの頂点にだけ青いマークがついています。

 

もしかして、マークの付いている頂点と、その対角にある頂点を結ぶ線を、クランクの軸に合わせて取り付けないといけないのか?…

 

パワーメーターの取り扱い説明書には、とくにそんな記載はありません。

「治具を六角形の穴に差し込み、取っ手をクランク軸に合わせる」…

そう書かれているのみです。

つまり、治具をクランクの軸に合わせても、60°、あるいは120°(240°、そして300°もありますけど…)ずれることもあり得ます。

  

しかし、「モノは試し」と言いますよね…

 

 

半信半疑でしたが、写真のように、マークのある頂点をクランクの軸に合わせてみました。

するとなんと、しっかりパワー値が表示されるじゃないですか!

 

 

Exakt は、本当に Exact ?

その結論は…

 

確かに Exact でした。

しかし、取り扱い説明書での記載内容が不足しています。

以前、ウィリエールでパワー値が表示されたのは、おそらく、たまたまマークのある頂点がクランクの軸に合ったから(1/3の確率で、上手く角度が調整できます、きっと…)。

 

今後は治具の角度ではなく、マークの位置をチェックして取り付けることにします。

 

 

とにかく、フォーカスの設定/調整は、ガーミンを含めてすべて完了。

よし、これで明日は大丈夫!

 

そう思って、Edge520の電源を切ろうとしてボタンを押し込んだら…

なんと、「グニャッ」という手応えと共に、電源ボタンの箇所のゴムが破れてしまいました。

 

あーっ…

 

フォーカスと同様、Edge520も再使用しようと思いましたが、寿命のようです。

明日のライドで、本当にお役御免とします。

フォーカス リバイバル!

今日は、9月28日(木)。

天気は雨となりました。

明日は晴れ間が出るようですが、この週末、土曜日、日曜日はどうなるか…

 

午前中、外出したついでにスポーツサイクル・イシノさんに行ってみると、偶然にもアイランドさんが来店中。

アイランドさん、果たして何をしにイシノさんにやってきたのかな?

その目的は…

 

今週の土曜日 30日は、チームじゅげむのライドが予定されています。

そのコースは以下の通りで、ルートには国道157号線のトンネル区間を含んでいます。

 

これまでは、比較的短い距離やフラットコースが中心のライドに参加してきたアイランドさん。

今回は、いよいよロングライド、山岳コースに挑戦。

そのルート上には、長めのトンネルもそこかしこに存在します。

ということで、ヘッドライト/テールライトを買い求めにやって来た…ということでした。

 

ライドルートですが、JR野々市駅をスタートして、まず道の駅 瀬女に向かいます。

瀬女からは白峰を経て谷峠を越え、福井県の勝山に向かいます。

勝山から先は、は坂井市を抜けて吉崎に行き、大聖寺、片山津を経由して野々市駅に戻ります。

走行距離は164.3km、獲得標高は1,000mオーバー。

まあまあです。

 

さて、そのアイランドさん。

イシノさんに来たのは、ヘッドライト/テールライトの購入だがけが目的ではありませんでした。

それは何だったのか…

 

アイランドさんは、ビンディングペダルとシューズも買い求めていました。

 

アイランドさんは、これまでチームじゅげむでのライドにはフラットペダルで参加していました。

ただ、ロードバイクに乗る随分前から、早朝のランニングで体を鍛えていたとのこと。

そのおかげなのでしょう、フラットペダルではありますが、ヒルクライムを含むチームライドにも余裕で参加の体力をお持ちです。

とはいえ、「長い距離/上り坂をより楽に走るのであれば、ビンディングペダルがいいですよ」と勧められることもしばしば。

それに加えて、アイランドさんは11月のスズカ8時間エンデューロにエントリーしています(「エンデューロ エントリー完了!」)。

アイランドさん自身も、「レースに参加する前にビンディングに替えておきたいと思った」とのことで、本日の購入となったそうです。

 

アイランドさんは、自分のバイク(チネリ・ヴィゴレッリロード)を持ってイシノさんに来ていたので、購入したペダルをすぐにつけてもらい、シューズにもクリートを付けてもらいました。

イシノさんからビンディングのはめ方/外し方を教わり、そのままお店の中で試してみるアイランドさん。

家に帰ったら晴れ間を見てバイクに乗り、ビンディングをはめる動作/外す動作を練習してみるとのことでした。

 

 

アイランドさん、30日のビンディングデビュー、楽しみにしています。

→30日、微妙な予報ですが、晴れてほしいです…

 

 

 

ところで、私がイシノさんに行った用事は何だったのか?

 

実は、長女に譲ったフォーカスなのですが(「フォーカス セッティング変更」)、長女から「もう乗らない」との報告がありました。

 

3月には大学院を卒業し社会人となる予定の長女。

彼女は石川県を出て県外の企業に就職するようで、4月からは一人暮らしを始めることになります。

 

「フォーカス、持っていく?」

と聞いたところ、

「持っていかないし、もう乗らない」

との答えが帰ってきました。

 

「ふーん、そうなんだ」…

共通の趣味が無くなるような気がして、ちょっと寂しい気分。

 

妻にそのことを伝え、今度は妻に

「フォーカス、乗ってみる?」

と聞いてみました。

しかし、私の質問が終わらないうちに、やや食い気味で

「乗らない」

との回答。

 

ということで、フォーカスは、再び私が乗ることになりました。

「長女用に変更したセッティングを元に戻してもらうことにしよう」…

その目的で、フォーカスをイシノさんを持ち込んだのでした。

 

元に戻した(変更した)箇所は以下の通りです。

・ステムを50mmから100mmにする
・ハンドルを10mm低くする
・レバーのブラケットを下げる
・短くしていたレバーのリーチを広げる
・サドルの高さを上げる
・サドルの位置を後に移動する
・ペダルをSPD-SLに変更する

これで、私のセッティングに戻りました。

 

上記とは別に、カセットスプロケットも変更しました。

変更前は「11-32T」を付けていましたが、これは伊吹山ヒルクライムでの惨敗を経験し、その時点で「11-28T」から「11-32T」に替えたものです。

 

ただ、ローの「32T」 は、レースを前提にすると「ちょっとやり過ぎた」…とも思っていました。

なので、それ以降に導入したスプロケットでは「11-30T」を選択しています。

(ウィリエールに付けているカンパ・ポテンザには「11-30T」が無かったので、「11-29T」を選択しました)

 

今回は、

「フォーカスでのライドは、トレーニングと考えよう」

との思いから、乙女ギアの「11-32T」を外し、購入当初付けていた「11-28T」に戻す方針でした。

しかし少し前の夕食の際、なんと長男(高校1年)から、

「ちょっとなら、ロードバイクに乗ってみてもいい」…

との発言が出ました。

 

そうか!

だとすると、「11-28T」では坂道が辛いかもね!

…と一人盛り上がってしまった私は、「11-28T」に戻すのではなく「11-30T」の導入を決断。

 

ちなみに上の写真では、すでに「11-30T」を装着しています。

 

 

ガーミン・コネクトに登録している「ギア」からは、すでに「除外」していたフォーカス。

それを「除外解除」して、再び私が乗ることになりました。

 

今週土曜日 30日のライドは、セッティングを元に戻し、”リバイバル” したフォーカスで出かけることにします。

フォーカスに乗るのは久々ですが、果たしてどんなフィーリングを受けるんでしょうか?

 

うーん、30日が楽しみです!

 

 

そして、余った乙女ギアの「11-32T」。

これをどう使うか…

 

そうだ、 ツイテル ツイテルさん。

カレラ・ニトロの「11-28T」では、ヒルクライムは辛いですよね(「じゅげむ de ライド(オヨヨ)」)。

激坂も楽々上れる乙女ギア「11-32T」のスプロケット、要らないですか?

 

 

追伸

浜松のtakaさん他、皆さんへ。

 

フォーカス・イザルコマックスが、再び私の手元に戻りました。

ホイールもゾンダです。

浜松遠征等で一緒に走る機会があるときなど、またtakaさんとお揃いのバイクで走ることができるようになりました(「遠征ロングライドからの帰還」)。

 

逆に、皆さんが金沢に遠征いただく機会などがあったら楽しいんじゃないかな…とも思います。

輪行で金沢まで来るようなことがあればお迎えにあがりますし、その際は、我が家に宿泊していただければ結構です。

 

ぜひご検討ください!

どうする しゅういち!…その2

今日は、9月27日(水)。

昨日の投稿では、「ツール・ド・おきなわ」にエントリーするかどうかを迷っていることについて書きました(「どうする しゅういち!…」)。

その投稿の中で、「飛行機ではなく、トランポ&フェリーで行きたい」ということも書いています。

 

 

さて、では「ツール・ド・おきなわ」にトランポ&フェリーで行くとすると、どの程度の時間や費用となるのか?

これをちょっと調べてみました。

 

 

まずは、自宅からフェリー乗り場までのトランポ。

私の自宅のある石川県金沢市から、フェリーが出港する鹿児島県の鹿児島新港までのトランポは、高速道路を乗り継ぎ、一般道を走って、実に「1,151km」。

休憩を含めた移動時間は「18時間」ほどを想定します。

高速料金は、ETCの割引きがあり「13,560円」。

使う燃料(軽油)は、燃費を10km/L、価格を147円/Lと仮定すると、「16,905円」。

 

つぎに、鹿児島新港から那覇港のフェリー。

乗船時間は「25時間」。

フェリー料金は、4ナンバーのレジアスエースであれば、ドライバーの2等船室料金込みで「88,500円」。

 

そして、港から選手受付会場までのトランポ。

那覇港から受付会場の名護市屋内運動場までを、一般道を走って「71km」。

その移動時間は「1時間半」。

燃料費は、「1,500円」ほどになります。

 

ここまでを合計してみると、片道の移動時間が「44時間半」で、費用は「120,465円」。

往復となると、移動時間が「89時間」で、費用は「240,930円」。

 

※ただし、フェリーは往復割引(1割引で17,700円引き)があるため、実際には「223,230円」です。

 

えーっ

思った以上に時間がかかるし、費用も高いなぁ…

 

 

 

ならば…ということで、飛行機を使うケースについてもチェックしてみました。

 

自宅から小松空港までの移動。

ここは妻に送ってもらうことにして、費用はナシで「1時間」。

 

小松空港から那覇空港のフライト。

搭乗時間は「2時間半」で、航空券は「28,180円」。

※ただし、航空機の荷物として安心してロードバイクを運ぶキャリーケース必要で、調べてみると、これが「56,000円」でした。

 

つぎは、選手受付会場までの移動。

那覇空港から名護市屋内運動場の近くまでをバスに乗るとして、移動時間が「2時間」で、その料金は「2,300円」。

 

名護市での宿泊費用は、3泊として「63,000円」。

 

往復について合計してみると、移動時間は「11時間」、費用は(ロードバイクのキャリーケース込みで)「179,960円」。

 

 

うーん。

飛行機を使うと、時間は大幅に短縮されることを確認。

しかし、やはり費用はお高いですねぇ…

 

 

 

今年は「ツール・ド・おきなわ」、ナシ決定です。

まあ、しょうがないです…かね。

 

 

追伸

妻が一緒に行くことで、二人になるケースについてもチェックしてみました。

 

トランポ&フェリーなら、ドライバー以外の2等船室を追加する費用として「14,000円」ほどが追加されるのみです。

これに対して飛行機では、航空券&バス料金&宿泊費が必要となるため、「124,000円」が追加となります。

 

妻も一緒に行ってくれるなら、費用的にはトランポ&フェリーが有利になります。

ただし、時間がかかりすぎるのが難点です。

 

旅行を兼ねて…ということで妻を誘い、来年に、あらためて検討してみます。

どうする しゅういち!…

今日は、9月26日(火)。

先日私は「ツール・ド・のと 400」に参加しました(「ツール・ド・のと 1日コース 完走!」)。

 

ところで、今年2023年に私がエントリーしたレース/エンデューロイベントは、以下の5つでした。

(1)榛名山ヒルクライム
(2)若狭路レーンボーヒルクライム
(3)信州高山ヒルクライムチャレンジ
(4)ツール・ド・のと 400
(5)スズカ8 時間エンデューロ

 

このうち、(1)榛名山と(3)信州高山の2つのヒルクライムレースは、諸々の事情でDNSとなりました(「復活の日々…」、「信州高山 DNS」)。

 

また、完走したヒルクライムレースの(2)若狭路は、結果については不本意でしたが、久々のレースを走ることができて、その点では満足しました(「「虹」本番を完走」)。

 

そして、先日、kit1002さん、kenshinさんと一緒に走った(4)ツール・ド・のと。

これも楽しむことができました(「ツール・ド・のと 1日コース 完走!」)。

 

「さて、残るは11月3日開催の(5)スズカのみだな」

そう思っていました。

 

しかし、よくよくスケジュールをチェックしてみると、

私自身のミスでダブルブッキングしてしまい、DNSの結果となった(1)榛名山とは逆?のケースがあることを発見。

それは…

 

11月12日。

とあるイベントの主催者側として、

「レース/エンデューロは入れられないな」…

と諦めていた日。

ところが、そのイベントがキャンセルとなっていたことを思い出しました。

つまり、その日のスケジュールが空いているんです…

 

日付を見て気付いた方がおられる方もいるかもしれませんが、

「11月12日」。

そう、この日は「ツール・ド・おきなわ」が開催される日です。

 

さっそく、スポーツエントリーのWebサイトで状況をチェックすると…

 

あーあ…

エントリーしたいと思っていた「市民レース 100km マスターズ」のカテゴリーは、すでにエントリーの受け付けが終了していました。

 

「まあ、人気のレースだから、そうだよね」

そう思って、少し下に目をやってみると…

 

距離が50kmのレースには、まだ空きがある模様。

そして、私の年齢のカテゴリ「市民レース 50km オーバー60」も、まだエントリーを受け付けていることを発見。

 

おーっ!

 

そうだなぁ。

ツール・ド・おきなわは、かなりハードなレース。

背伸びをせず、100kmじゃなくて、まずは50kmの市民レースに挑戦する方がいいのかも。

 

そうだ、沖縄本島には九州からフェリーが通っている。

飛行機で行くのではなく、九州までレジアスエースでトランポして、そこからフェリーで沖縄に行くこにしたらどうだろう。

泊まりも車中泊とすれば、交通費&宿泊費を安く抑えることができるんじゃないか…

 

あー、でも、その前週はスズカのエンデューロだ。

「ツール・ド・おきなわ」に行くことにすると、2週連チャンで「トランポ移動&レース」になる。

 

トランポのドライバーも自分でやることを考えると、ちょっと無謀だ。

(きっと、妻も反対するだろうなぁ…)

 

 

うーん、思い切ってエントリーする?

それとも、おとなしくしてエントリーしない?

 

どうする しゅういち!

ツール・ド・北海道で発生した事故に関して

今日は、9月23日(土)。

約2週間前の9月8日(金)に開催された「第37回 ツール・ド・北海道」ですが、報道にある通り、初日の8日のレース中に、参加選手が一般車両と衝突する事故が発生しました。

このため、3日間に渡るすべてのレースがキャンセルされました。

 

また残念なことに、事故にあった選手は亡くなられました。

亡くなられたのは大学生だったとのこと。

謹んでご冥福をお祈りします。

 

 

大会を主催していた「ツール・ド・北海道協会」の会見によると、事故が発生した状況などの詳細については調査中で、9月23日時点では、まだ事実関係が正式に公表されている訳ではありません。

しかしニュースで報道されている内容、あるいはネットで公開されている情報等を見ると、どうやら以下の3点が事故に大きく関係しているようです。

 

(1)事故が発生した道路は交通規制の対象区間で、事故発生時一般車両は通行禁止だった。しかし、事故の該当一般車両はその通行禁止区間を走行していた。

(2)会見の席上、主催者からのコメントとして、「交通規制の対象区間であっても、レースで使用できるのは片側一車線だけである。そのことは、チーム/選手に対しては『対向車線にはみ出さないように』との注意喚起を通して知らせていた」と発表された。

(3)しかし、多くの参加選手は「対向車線にはみ出してはいけない」とは思っていなかったようで、亡くなった選手も、前を走っている集団を追い越すために、ブラインドの右カーブで対向車線にはみ出したようだ。

 

 

ロードレースとヒルクライムという違いはありますが、私も一般道で開催されるレースに参加しています。

そのこともあり、発生した「ツール・ド・北海道」の事故に関し、私なりの考えを書いておこうと思います。

 

 

私が参加したことのあるレースは、ほとんどが一般道(県道や市道のような道路)で行われるヒルクライムレースです。

たとえば「榛名山ヒルクライム」、あるいは「乗鞍ヒルクライム」が、そのようなレースです。

それらのレースにおいても、「ツール・ド・北海道」と同様に、主催者は、事故が発生することを防止するため、レース/大会の実施の時間帯にあわせ一般車両の通行を規制しています。

 

 

一方レースの参加者には、事前に、主催者から色々な書類が届きます。

届く書類の中には、ほとんどの場合「競技上の注意事項」というものが含まれています。

その記載内容には、自転車のレギュレーションや装備の条件に加え、ほぼ例外なく「対向車線にはみ出さないように」という文言が含まれています。

(ほぼすべてのレース/大会では使用する道路の交通規制が実施されるのですが、これまたほぼ例外なく「対向車線にはみ出さないように」との注意事項が書かれています)

 

注意事項には書かれていますが、私を含めてほぼすべての参加選手は、今回の事故のように「対向車線に一般車両が走ってくる可能性がある」とは思っていません。

加えて、「場合によっては対向車線を走らないといけないときもある」と思っています。

 

事実、過去参加したレースにおいて、

・先行している集団がいる
・その集団が車線いっぱいに広がっている

ときは、私を含めて多くの選手は、自分が対向車線に出ることで集団を抜いていきます。

またそのような状況が発生していることは、コース上の大会関係者(誘導等の係員、審判車両、オートバイ等の先導車)の方々も、よく知っていると思われます。

そして知ってはいても、実際に選手に対して「対向車線にはみ出さないように」との注意することはなく、私もレース中にそれを言われたことはありません。

 

これは主催者としても、対向車線にはみ出して走ることは、「場合によってはしょうがない」と考えて黙認しているからだと思っています。

というのも、それを認めないと、

・速く走っている選手が
・遅い選手に道を阻まれて
・先に進めない

という状態になってしまうからです。

 

”レース” とは、「できるだけ速く走り、誰よりも先にゴールに着く」ことで「時間/順位を競う」ことが目的です。

なので、速い選手が先に進めない状態が続いてしまうと、その大会がそもそも「”レース” として成立しない」ことになってしまいます。

 

対向車線に一般車両が来るとは思っていませんが、ヒルクライムのレースにおいては、先にレースを終えた選手が、対向車線を下山して走ってくる可能性があることは認識しており、それは参加選手全員の頭に入っています。

下山する選手も、まだレース中の選手が走っている(上ってくる)ことを邪魔しないように、自分の車線の左端に寄って、かつスピードを落として下山しています。

 

 

「ツール・ド・北海道」は、私が先日参加した「ツール・ド・のと」のような ”サイクリング・イベント” とは異なり、UCI公認の国際規格の ”レース” です。

このため、レースリーダー、あるいは後続の集団等の前には先導車(マーシャル)が走っていて、コース上に障害物等がないか等をチェックしているはずです。

もし、交通規制区間で対向車線に車がいるようなら、車のドライバーに「止まってください」と声をかけるでしょうし、選手に対してもクラクションや笛などで知らせるでしょう。

 

そのようなことがあり、ヒルクライムレースに参加している私以上に、「ツール・ド・北海道」に参加する選手は、交通規制が行われている区間において、

・対向車線から一般車両が来る可能性がある
・その一般車両と衝突するリスクがある

という認識は少ない(いや、その認識は無い)と推定します。

 

 

選手が負うべきリスクについて言えば、「ツール・ド・北海道」に限らず、どんなレースでも、

・自分が落車する
・他選手の落車に巻き込まれる

など、「落車」での事故/怪我については「自らが負うべきリスク」と、選手は考えているでしょう。

私もそうです。

 

しかし、交通規制が実施されている道路で、「一般車両と衝突事故を起こす可能性がある」ことは、どの選手も考えていません。

少なくとも、私は考えていませんでした。

 

それに、招待選手や大会のアンバサダーではない一般の参加選手は、「相応の費用」を払ってレース/大会に参加しています。

もちろん運営側としては、交通規制を行っているスタッフにはボランティアの方々が多い等の事情があり、(参加者が費用を払っているからといって…)そのボランティアのスタッフの方々にまで、「多くの責任を求めることはできない」と考えているでしょう。

しかしそうであったとしても、対向車線に一般車両がいる可能性まで「選手が負うべきリスク」とするのは、正直に言って、選手に対して余りに酷だと思います。

 

それを参加選手のリスクにしてしまうと、

・交通規制が行われていない一般道で
・自分たちが勝手にレースを行っている

という状況と変わらないことになります。

(これだと、参加選手やチームは、お金を払ってレースに参加しているにもかかわらず、「町おこし」のためにうまく使われているだけ…とも感じてしまいます)

これはあり得ません。

 

 

一般道で行われているとは言え、”レース” であることを考えると、通行規制を行っている道路に「一般車両が入り込む可能性がある」ことは、あまりに危険だと私は感じます。

また、通行規制を行っている道路において、一般車両が迷い込む可能性を「選手側のリスク」とする考え方が、多くの人に受け入れられるとも思いません。

しかし主催者側が、参加選手/チームに対してそのことを注意事項として告知済みであるから…ということで「選手側のリスクとする」という立場をとるのであれば、ロードレースには、いや、ヒルクライムレースにも、参加する選手はいなくなると思います。

もしそうなったら、私自身は、どんなに規模が大きくてネームバリューがあったとしても、そのレース/大会には参加しません。

 

 

参加選手としての立場からの意見とはなりますが、私は、今回の事故からの教訓として、レース/大会の主催者には、以下の二つの再発防止策を検討いただきたいと思っています。

まず一つ目は、「交通規制をしっかり行う」こと。

そのために参加費が値上げされるとしても、選手/チームはそれを了解した上で、そのレース/大会にエントリーすると思います。

 

二つ目は、現状では違反を黙認している(と思われる…)「対向車線にはみ出して走らない」ことを、全選手に徹底させること。

たとえば、

・後ろから速い選手が来たら道を譲る
・道を譲らない/対向車線にはみ出す
 →その選手にはペナルティーを与える

などのルールを整備し、レース中に(リアルタイムに)審判による判定が行われる方式が望ましいと感じます。

整備したルールが全選手に平等に適用され、かつレース結果に不公平が出ないなら、選手はそれに従うと思います。

 

 

今回の事故の教訓として、上記二つの再発防止策を考えてみました。

両方を実施できればベストですが、仮にどちらか一つであっても実施できるのであれば、一般道を使用したレース/大会は今後とも開催でき、かつ一般車両との衝突事故も防ぐことができると思います。

 

 

しかし、そのいずれも実施できないとき。

そのときは、事故の再発防止は非常に難しいと思います。

そして、そのときは…

 

私を含めた多くの選手が望む結論ではないと思いますが、

「一般道を使ったレース/大会は開催しない」

これしかないのかもしれません。