フレーム対決 CASE2 フォーカス

「ピナレロ vs フォーカス vs チネリ」の第二弾として、今日は、フォーカスでのデータ取得を行いました。

フォーカス with シロッコ

 

フォーカス with ボーラ

 

昨日のチネリのときと同じように、まずホイールにシロッコを履いた状態でショート・インターバルを行い、続いてホイールをボーラに履き替えてショート・インターバルを行います。

 

空気圧、クランク、スプロケ、ギアの選択等、物理的な条件はすべてチネリのときと同じです。

ただ、昨日のチネリの結果から、ボーラのホイールはリムとリアブレーキ・シュートとのクリアランスが厳しく、全力走ではホイールがたわんで干渉している…と思われるため、今日は前後ブレーキのクイックリレーズレバーを上げるだけではなく、リアブレーキについては調整用のスクリューを限界まで緩めました。
これで、リムとシューが干渉することは無いハズ…と判断しました。

上記設定でデータを取得してみると、やはりチネリのときとは異なり、フォーカスでは「ボーラの方が、少ないパワーで、同じスピードが維持できている」ことを示すデータとなっていました。

ということは、ブレーキシューが干渉していた「チネリ with ボーラ」では正確なデータが取得できておらず、比較対象としては採用できない…ということになります。
(えー、せっかく全力走をしたのに…)

 

心拍ゾーンの分布も、昨日とはまったく異なる結果となっています。

フォーカス with シロッコ 心拍ゾーン

 

フォーカス with ボーラ 心拍ゾーン

 

昨日のチネリでのショート・インターバルでは、シロッコ/ボーラのいずれのホイールでも、ゾーン5の最大強度が40%を占めていました。
これに対し、今日のフォーカスでのゾーン5は、シロッコでは5%、ボーラでは12%と、どちらのホイールでも割合が極端に減っています。

心拍ゾーンの分布が、昨日のチネリのケースとまったく異なる結果/傾向となった理由として、まず一番に考えられるのは、昨日、チネリでインターバルを行ったことで体が順応し、そのために今日のフォーカスでは楽にショート・インターバルを行うことができた…という可能性が考えられます。

ただ、ホイールがシロッコ/ボーラのどちらであるかによらず、「スピード、パワー、ケイデンス」のいずれも、今日のフォーカスの方が「良い数値(高い)」を示すデータとなっています。
私としては、「体の順応だけで、この結果を説明するのは、少々無理があるのではないか」…と思っています。
もし、私の考えが正しいとすると、これがフレーム性能の差(フォーカスは、チネリに比べて、楽に速く走ることができる…)なのかもしれません。

このあたりは、もう少し色々な情報を確認/検証してみたいと思います。

 

明日は、いよいよ最後のピナレロでのデータ取得です。

疲れてきましたが、頑張ります!

 

追伸:

フォーカスでの「シロッコ → ボーラ」の履き替え効果についても、少々考察してみます。

 

その前に、フォーカスのホイール装着状態での車体重量はつぎの通りでした。

フォーカス with シロッコ 8.00kg
フォーカス with ボーラ  7.58kg
フォーカス with ゾンダ  7.71kg(参考)

 

フォーカス with シロッコ

 

フォーカス with ボーラ

 

フォーカス with ゾンダ(参考)

 

フォーカス、軽いです。
もしかすると、ピナレロよりも軽いかもしれません。

重量だけに着目すれば、私の持っている中では「フォーカスwith ボーラ」が、ヒルクライムでのベストチョイスのようです。
(えー、でもそれだと「ピナレロの神様」の立つ瀬がないんです…)

 

さて、フォーカスでのデータ計測結果は、チネリとは異なる傾向を示しています。

まず、チネリではでは、シロッコの1セット目の全力走(その日の一番最初の全力走)では、1分の全力走でのパワー、スピード、ケイデンスが落ちていく傾きが、他のセットの全力走に比べて大きい傾向がありました。
これに対しフォーカスでは、どのセットの全力走も同じような傾きであり、何セット目であるかによる違いは無さそうです。

ただし、その際のパワーは、シロッコの方が大きい値が記録されています。

これは、「このデータ計測のインターバルテストに慣れてきた…」ために、体の反応としてのバラつきが少なくなったからのように思います。

この点で言えば、チネリのインターバルテストは、もう一度やり直さないといけないのかもしれません…

 

つぎに、「スピード、ケイデンス」の最大値は、シロッコ/ボーラそれぞれで、「66.2km/h、139rpm」、「66.6km/h、140rpm」であり、ほぼ同じ数値を記録しています。

これは、インターバルでの走り方として、
 全力走 ギア3段でケイデンス130rpm
 テンポ走 ギア4段でケイデンス85rpm
と、ある程度の目処を揃えているため、ほぼ同じスピード、ケイデンスになるのも当然です。

これに対し最大パワーは、シロッコが581Wに対しボーラは521Wであり、ボーラの方が約10%少ないパワーでペダリングをしています。

 

これについては、ボーラの方が重さ(質量)が少ない事実があり、「ボーラの方が慣性モーメントが小さい」ことが影響して結果に現れていると思います。

やはり、昨日のチネリでは、ボーラで全力走を行った際にホイールとブレーキシューが干渉してしまい、回転するホイールに対し無駄な抵抗が発生していたようです。

ホイールの重さ(軽さ)の効果は、全力走のときだけではなくテンポ走でも現れていて、ボーラの方が「楽に走り続けることができる」と感じます。
それは平均パワーと平均スピードの相関にも現れています。
平均スピードは、シロッコが30,6km/hに対しボーラが29.1と、差は5%未満であり、ほぼ同じです。
これに対し、平均パワーは、シロッコが163Wに対しボーラが149Wと、やはりボーラの方が10%程度少ない平均パワーで済んでいることが、データから分ります。

少なくともフォーカスでは、シロッコよりも、ボーラの方が楽に速く走れるホイールでした。

 

一般的に、「ホイールを軽いものに替える」ことの効果/影響は、かなり大きいと言われています。
当たり前のようにも思いますが、これは私が取得したデータ(同じスピードで走るのであれば、ボーラは、シロッコに比べて、10%少ないパワーで済む)からみて、間違いのない事実であると考えます。

おそらくチネリでも、ブレーキシューの干渉がなければ、同じ傾向/結果を得ることができたはずだと思います。

 

全力走での落ち込み傾向、心拍ゾーンの傾向から見ても、チネリはちょっと特異データのような気がします。
それだけではなく、ブレーキシューの干渉という要因も排除する(リアブレーキのスクリューを緩める)必要がありそうで、正確な比較データを得るという観点から言えば、あらためてチネリのデータを取得するしかありません。

うーん、でも、ホイールを交換しながら、またインターバルをやるのは、どうしようかなぁ…

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