三日間をかけて、チネリ ヴィゴレッリ・ロード、フォーカス イザルコ・マックス、ピナレロ DOGMA F12の3種類のフレームと、カンパのシロッコ、ボーラの2種類のホイール、都合6通りの組み合わせについて、ローラーでのショート・インターバルを行いました。
その結果は、以下の通りでした。
まず、重量は以下の表の通りとなります。
シロッコ ボーラ
チネリ 9.19kg 8.78kg
フォーカス 8.00kg 7.58kg
ピナレロ 8.11kg 7.69kg
また、各組み合わせでの最大スピード、ケイデンス、およびそのときのパワーは、次の表の通りです。
シロッコ ボーラ
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チネリ 64.8km/h 62.3km/h
136rpm 134rpm
505W 521W
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フォーカス 66.2km/h 66.6km/h
139rpm 140rpm
581W 521W
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ピナレロ 63.0km/h 63.7km/h
133rpm 134rpm
535W 487W
「チネリ with ボーラ」については、ブレーキを引きずっていた事による特異データとなっている可能があり、そのまま比較しても正しい判断はできないかもしれません。
チネリについては特異データも含まれている可能性がありますが、とりあえず「フォーカス with シロッコ」を100としたときのパワーを表にしてみました。
シロッコ ボーラ
チネリ 87 90
フォーカス 100 90
ピナレロ 92 84
上記表に従うと、ペダリングでのパワー伝達効率がいいフレームは、順に、
チネリ > ピナレロ > フォーカス
という結論になります。
ブレーキシューの引きずりがなければ、チネリにボーラを履かせた場合の数値は78、最大パワーでいうと455W程度であったハズ…と推定しています。
(これは仮定の数値ではありますが、おそらく正しいと思います)
パワー伝達の効率は、ペダリングそのもののロスがなければ、フレームの『クランク軸が取り付けられているBBまわり → チェーンステー → リアエンド』までの構造/特性に依存しているような気がします。
重いけれど、丸いパイプでも剛性が高い鉄(クロモリフレーム)。
軽いけれども鉄に比べて剛性が弱く、特殊な製法、特殊な形状にして剛性を稼ぐ炭素繊維(カーボンフレーム)。
各フレームのBBからチェーンステー後端までの材質と形状の特性が、上記のパワー伝達効率の結果になった…と考えています。
今回の結論は、三本ローラーでのショート・インターバルでの結果です。
実際に外を実走する場合には、車体の重さ、それに空気抵抗の影響を、大きく受けます。
つまり、パワー伝達効率のいいチネリであっても、重さや空気抵抗がネックとなって、実走では速く走れない可能性がある…ということになるでしょう。
これについては、またどこかで外を実走したデータを取得し、「実走編」として比較/検討したいと思います。