今日は、6月14日(土)。
もう、6月も2週間が過ぎました。
「あー、もうすぐ7月か」…
そういえば、7月で思い出すことがひとつありました。
それは、高速道路におけるETC深夜割引制度の変更。
「たしかこの7月から、深夜割引の制度が変更となるハズだったよな」
そう思っていたのですが、NEXCOのホームページを見てみると、どうやらこれは延期になったようです。
ただしその理由は、4月にNEXCO中日本管内で発生した、ETCシステムの障害の影響の模様。
ETCシステムの障害が発生した原因については、
「システム内のプログラムの不具合により、データ破損が発生したため」
との報道がありました。
しかも、この不具合ですが、
「3ヶ月前から(ということは、1月から…)発生していたにもかかわらず、障害が発生するまで気が付かなった」
とのオマケもついていました。
いやー、そうですか。
かつてプログラマだった私からすると、
「このシステムの運営/管理を行っているシステムエンジニア、およびシステムのプログラム開発を行っているプログラマは、なんともヌルい感覚で仕事をしてるなぁ」…
と感じます。
日本道路公団が分割民営化してできたNEXCO各社。
当然の組織の上層部には、国土交通省の役人が天下ってきた人たちがズラリ。
そんな組織/環境の中で、システムエンジニアのような ”いちサラリーマン” が、社会のインフラを守るためとはいえ、高い意識/モチベーションを保って仕事をするのは難しいかもしれません。
日本の悲しい現実…ですかね。
「あー、そうか、延期になったのか」…
そう思ったあなた!
高速料金の深夜割引制度が、どんなふうに変更されるか、その内容詳細を知っていますか?
まずは、現行の深夜割引制度がどんなものか、ざっくり説明しましょう。
現状の制度は、
「0時〜4時までに高速道路を走っている車は、高速料金を3割引にする」
というもの。
この制度のミソは、0時〜4時の時間帯を少しでも走っていれば、その前後の時間に走っていた区間も含め、
「高速の乗り始め〜乗り終わりの全区間」
で、深夜割引(3割引)を受けることができる」
という点です。

(NEXCO東日本 HPより)
全区間で3割引…
これ、とてもお得な気がしますよね。
ところが、この深夜割引を受けるために、
・高速道路を走る長距離トラックが、
・SA/PAに入って、
・0時を過ぎるのを待つ台数があまりに多くなってしまい、
・一般車の駐車スペース/ランプウェイ等にまでトラックが溢れてしまう
…という現象が発生するようになりました。
この問題を解決する目的で深夜割引の制度変更が実施されることになったのですが、その概要は以下の内容でした。
・割引対象時間が、夜10時〜朝5時に拡大
・ただし「対象の時間を走った分だけ」に限定される
・かつ割引きは高速を降りるときに受けるのではなく、ポイント(マイレージ)が還元されるだけ
→次回高速道路を走った際の料金清算で利用できる

”その場でズバッと現金値引き”…じゃないのは気になります。
が、これだけを見ると、まあ変更する意義はありそうな感じです。
ところが、この制度変更には、大きな落とし穴があるんです。
というのも、深夜割引を受けるには、
(1)ETCマイレージサービスというサイトで個人のアカウントを登録し、
(2)登録した個人のアカウントに、
(3)ETCカードとETC搭載機を1対1で結びつけておく…
という作業を、事前にやっておく必要があるからです。
ここも、まあ、
「事前に登録しておけばいいんだろ?」
ということでしょう。
が、実は、この中の(3)に大きな問題アリ。
まず、
・個人が所有しているETCカードは通常1枚
だと思います。
これに対して、
・最近は、個人が所有している車は複数台→自分&妻の乗る車
(たとえば私名義の車はレジアスエース&ヴェルファイア)
という環境です。
つまり、私自身は
「ETCカードは1枚だけど、ETC搭載機は2台」
という環境になります。
ETCカードは、個人を特定するためのもの。
これに対して、ETC搭載機は、車を特定するためのもの。
深夜割引制度が変更される前の、現在のETC深夜割引制度であれば、上記の関係をキチンと守った上で、
・1枚のETCカードを差し替えることで、
・ヴェルファイア/レジアスエースのどちらでも、
・深夜割引を受けることが可能
です。
しかし、前述の通りに制度変更が実施されてしまうと、
・ETCマイレージサービスに、
・手元のETCカード1枚と、
・ETC搭載機1つを事前登録する
必要があります。
つまり、2台ある車(ヴェルファイア/レジアスエース)の
・どちらかひとつのETC搭載機を選ぶ必要がある…
ということですね。
1枚のETCカードに対して、ETC搭載機も1台…
ということは、私の場合、
・ヴェルファイア(のETC搭載機)を選択
→レジアスエースはNG
・レジアスエース(のETC搭載機)を選択
→ヴェルファイアはNG
という感じで、どちらか1台だけしか深夜割引を受けることができなくなるんです。
自分名義の車を複数台所有していない方でも、レンタカーを借りた際には、同じような状況とます。
制度変更前の現状であれば、
・レンタカーのETC搭載機に、
・個人所有のETCカードを挿入しておけば、
深夜割引を受けることができます。
しかし制度変更が実施されると、自分のETCカードにレンタカーのETC搭載機は登録されていませんから、レンタカーでは深夜割引は受けられなくなります。
これまで私は、10人乗りのワゴン車あるいはキャンピングカーなどを、レンタカーとして利用してきました。
(じゅげむが運用しているレンタカーはキャンピングカーですが、この車にもETC搭載機は装備しています)
10人乗りのワゴン車やキャンピングカーをレンタカーとして利用する場面を想像すれば分かりますが、そんなシーンこそ、混雑/渋滞を避け、早朝や夜、あるいは深夜に長距離を走ることが多いもの。
家族あるいは親族での旅行などの際に、混雑/渋滞を避け、高速料金も3割引にする…
その目的で、早朝や夜を移動時間として使う。
こんなメリットを受けることができなくなるのは、私の場合かなり痛いです…
今回の制度変更。
私の環境でいうと、これは ”改善” ではなく、値上げを伴う明らかな ”改悪”。
NEXCOが実施しようとしている深夜割引制度の変更は、信じられないような ”バッドチョイス” である…
そのことを、ここで表明しておきます。