今日は、4月19日(土)。
昨日 18日(金)はサツマイモ畑の土壌改良を目的に、苦土石灰を撒いて耕運機で畑の全面を耕しました(「改良してみた…」)。
家庭菜園等の本によれば…
マグネシウムが不足する土壌では、
・葉脈が黄色くなる
・葉全体の緑色が薄くなる
等の症状が発生します。
これは葉緑素が不足していることによる現象。
葉緑素が不足すると十分な光合成を行うことができなくなり、作物の育成全体に影響が及んでしまうとのこと。
サツマイモでそのような現象が発生する(葉が黄色くなる/色が薄くなってしまう)と、蔓が十分育たない(蔓が長くならない)現象が発生し、その結果としてサツマイモが十分育たつことができず、収穫時には
・苗ごとの ”サツマイモの数” が少なくなり、
・一つ一つのサツマイモも十分大きくなっていない…
という状況になります。
私たちの畑でも、5年ほど前にそのような症状が畑全体のサツマイモに現れました。
なので、それ以降苦土石灰を撒いて、畑全体の土壌改良を行うようにしています。
サツマイモ畑全体の土壌改良については、ここ5年ほど続けて行っています。
しかし、それですべてが上手くいく訳ではないのが、自然相手の難しいところ。
私たちの市民農園では、4〜5種類のサツマイモを育ててきました。
今年は、以下の5種類を予定しています。
・五郎島金時
・紅あずま
・安納芋
・シルクスイート
・紅はるか
毎年、シルクスイートと紅はるかの苗の調達に若干苦労する…ということがあり、その年によって、4種類になったりします。
この5種類のうち、毎年最も良く育ってくれるのが、紅あずま。
放っておいても、蔓が伸びて覆い尽くされる…という感じです。
なので、午前中の日当たり条件の悪い場所を紅あずまに割り当てています。
そのつぎに良いのが、五郎島金時。
五郎島金時は、紅あずまに比べて雑草に弱く、草の勢いが強いところでは蔓があまり伸びません。
このため、紅あずまに比べて蔓の繁殖/イモの大きさでは劣りますが、その代わり収穫できる数ではひけを取らない感じです。
残る3つは、日照りが続く/異常に暑い日が続く夏/雨が降って日差しがない夏…等、天候の具合に左右される傾向が強いイメージです。
また、この3つも雑草が生い茂ってしまった環境に弱い(蔓/イモが十分育たない)という傾向もあります。
ただ ”雑草に弱い” 性質も、雑草が生い茂るのを防ぐ目的で、畝に黒のマルチシートを敷くようになってからは、それ以前のように ”草に覆われてサツマイモの苗/蔓が見えない” というところまで行くことはなくなりました…
土壌改良、肥料、そして苗への水やり。
これらは毎年同じように行っており、ここ5年ほど間については、各年それほど畑の環境に違いは無いはずです。
それでも、毎年の収穫の具合は大きく違っています。
その理由は、
「やはり、天候による影響が大きい」…
と、私は感じています。
実はこれまでずっと優等生だった紅あずまも、昨年は蔓/葉の繁殖が少なく、収穫量も以前に比べて減っている印象でした。
これは、やはり昨年の夏が ”異常な暑さ” だったことと無関係ではないでしょう。
人間の産業活動により地球が温暖化している…
そのことについては、色々議論があるようです。
地球は、温暖な時期と寒冷な時期を繰り返してきた歴史を持っています。
これは、”人類” という生物が現れて以降も同じです。
人類が経験している中で言えば、その最も温暖な時期は、現在より、平均気温で4〜7℃高く、海水面も40m以上高かったそうです。
これ、すごいですよね。
さて、これまで地球上で繰り返されてきた温暖化/寒冷化の原因ですが、実は地球上の温室効果ガスなどの影響ではなく、回っているコマが揺れているように、地球の自転軸がブレることにより ”太陽の熱を受ける量が変動する” ことに基づく現象で、それは
「ミランコビッチ・サイクル」
と呼ばれています。
これを知った人の中には、
「だから、温暖化に人間の活動は関係ないんだ」…
という意見を言う人たちもいたりします。
しかし、ミランコビッチ・サイクルによる温暖化/寒冷化のサイクルは、10万年周期で発生する現象。
これに対して、現在私たちが経験している気候の変動、とくに平均気温は、その10倍のスピードで上昇しているそうです。
趣味の範囲ではありますが…
10年以上同じ作物を育てて収穫していると、教科書に載っている(過去に人類が得た経験に基づく…)作物の育て方だけでは対応できない ”天候の変動”とそれによる収穫量の変動が、それこそ毎年起きている…ということを実感します。
あえて ”天候の変動” と書きましたが、ニュース等では ”異常気象” と言われるでしょうか。
その異常気象が、1000年に一度ではなく毎年発生している…そんな感覚です。
「現代は、これまで地球が経験したことのないほど速さで、急激に温暖化が進んでいる」
これは事実のようです。
しかし、その結果、現在よりも温暖だったとされる縄文時代前期のように、”さらに温暖で海水面が高い地球/世界になる” とも言い切れない…そんな記事も目にします。
あまりに急速に温暖化が進むと、深海を含めた地球全体としての海流が変わる/止まる等の現象が発生する可能性がある。
そして、そうなった場合は、地球全体が凍りつく、いわゆる ”全球凍結” になる可能性もある…
とのこと。
まあ、諸説色々ありますが、現時点ではそれらの説の正しさを確認する方法はないため、
「この先どうなるか分からない」…
というのが現時点で言えることのようです。
多くのスーパーコンピューターをネットワークでつなぎ、”地球全体の気象をシミュレーションする” という取り組み、色々な国で進められていたりします。
代表的なモデル・システムは、アメリカ、ヨーロッパ、そして日本にある…という記事をみたことがあります。
これら3つの地球のシミュレーターは、台風の発生/進路、あるいはその年の夏の暑さ/冬の寒さ度合いを、現状でも、ある程度の精度で予想できるようです。
しかし、今後100年先/1000年先の地球全体の気象については、まだ地球そのものについて未知の部分も多くあり、シミュレーションによる予想が難しい…
というのが現実だそうです。
この先、地球が温暖化するのか、それとも寒冷化するのかは分からない…
であれば、今年もまた(異常気象を含め)その年の天候に応じた対応をしながら、サツマイモの収穫を無事終えられるようにしていくだけ…
ですかね。