宝物…

今日は、12月11日(木)。

昨日 10日(水)は、夜7時半から押野校下(押野小学校の校区)の公民館で講演会が開催され、妻とともに参加して来ました。

 

ちなみに、妻は押野校下の母親クラブの役員。

私は押野校下の交通防犯委員会の役員。

妻は、所属している組織の目的に適った講演への参加。

対して私は、”参加人数集めの動員” による参加です…

 

その講演の題目は、”ヤングケアラーを知ろう”。

講師は、”ヤングケアラープロジェクトいしかわ” の代表理事を務めておられる五十嵐峯子さん。

 

この方は、すでに退職をされていますが元々は教師をされておられた方です。

現役の教職員だったころに、家族のお世話を一人で担っている子どもを担任したことがあったそうで、それが ”ヤングケアラープロジェクトいしかわ” を立ち上げることにつながったそうです。

 

ヤングケアラー、あるいは若者ケアラー。

この言葉、私はテレビのニュースで耳にしたことがありました。

 

家族に何らかのお世話(ケア)が必要な人がいる場合、本来はその人のお世話は、大人が責任を担って行うべきです。

しかし様々な状況から、18歳未満の子どもがお世話をしている…

そんな子どもたちのことを、”ヤングケアラー” と呼びます。

 

令和4年に石川県が調査したところによると、石川県内の小学6年生では、なんと13人に1人(7.7%)の割合で、ヤングケアラーと呼ぶべき子どもがいたそうです。

1クラスの児童が30人とすると、1クラスあたり2人はヤングケアラーがいることになります。

「いやー、思っていたよりも多いな」…

現実としては、そんな状況だそうです。

 

お世話をする…

そのお世話(ケア)にもいろいろあり、代表的なものとしては、

・家族に代わり買い物/料理/掃除など家事一般を行っている
・幼い兄弟の面倒を見ている
・障がいや病気のある兄弟のお世話/見守りをしている
・認知症等で目の離せない家族の見守りをしている
・外国籍の家族の通訳として何事にも付き添っている

…などがあるとのことでした。

 

 

ヤングケアラーの子どもたちは、

・自分の時間がほとんどなく
・友だちと遊ぶことができず
・睡眠時間も少なく
・勉強する意欲があっても時間が取れない…

という状況に置かれることも少なくなくありません。

そうなってしまうと、学業や友人関係、そして進路にも影響が出てしまい、将来に希望を持たなくなってしまうこともある…とのこと。

 

なかなか重い話題です。

 

 

ヤングケアラーが生まれる背景には、核家族化、経済状況の悪化、地域のつながりの希薄化など、現在の社会情勢も複雑に絡み合っています。

しかし講演の中で、私が印象に残ったのはつぎの点でした。

 

・とにかくヤングケアラーを早期に見つけることが大切

・そのためには、子どもが信頼して話ができる大人が必要

・しかし、その子どもを(遊びの会などに招いて)癒してあげるだけでは問題は解決しない

・根本的な原因である家族の問題(貧困、介護、ネグレクト、虐待…etc)の解決が必要

・それらの問題解決を支援するための窓口/行政機関との連携が必須になる

 

いやー、その通りだと思いました。

とくに、最後にある ”支援窓口との連携” は、本当にそう感じます。

 

 

しかし、かつて金沢市あるいは地域で福祉を担当している窓口の方々に、私自身が種々の相談/話し合いをした経験から判断すると、問題解決の支援につなげることは、正直に言って、

「まあ、一筋縄では行かないな」…

と感じてしまいます。

 

相談/話し合いの当事者(私)からすると、当然、各種活動について

「〜の連携をする/〜を実施する」

ことを前提として相談/話し合いに行っています。

しかし、その相談/話し合いを受ける側(市や地域の窓口)では、

「連携しない/実施しない」

ことを前提とした姿勢で相談/話し合いを受けることがほとんどです。

 

相談する側の主張が、法律や条例に則っており前例からも逸脱しない等、相談を受ける側(市や地域の窓口)が論破/反論できないときだけ、相談内容/依頼を受理するというスタンスです。

相談を受ける側からすると当然なんでしょうけど、それで世の中がうまく回っておらず、困ったことになっているからこそ相談/話し合いに行っているですが、そこを理解してもらえることはありませんでした。

まあ、窓口の人たちも、個人的には理解できたとしても、組織としては了解することはできない…

ということなんでしょうね。

 

 

また、「一筋縄では行かない」…だけではなく、たとえば実際に必要となる支援策は、

・貧困: 親の就労支援、生活保護の申請
・介護: ソーシャルワーカーとの連携
・ネグレクト/虐待: 児童福祉施設との連携
・…

など、一つ一つがかなり重い内容です。

 

もし私が、

・ヤングケアラーの子どもたちと話し、
・子どもたちの家族の種々の問題に向き合い、
・それらの問題解決のために市/地域の窓口と相談し、
・検討した解決策を家族の方々に説明して納得してもらう…

ということをやり続けたとしましょう。

それらは、社会的には大きな意義があり、やりがいのあることだとは思います。

しかし、それを続けているうちに、私自身が精神的に参ってしまう…

そんな気がします。

 

 

社会の宝である子どもたち。

その中には、ヤングケアラーと呼ばれる子どがもいる。

彼ら/彼女らに、将来に向けて希望が持てるようにするにはどうしたらいいか…

そんなことを考えたこの日の私でした。

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