今日は、10月27日(月)。
実はこの日は、次女の24回目の誕生日。
なので今日のご飯は、妻が炊いてくれた赤飯が食卓に並びました。
我が家では誰かの誕生日がくると、その日には赤飯を作ることが定番。
これは、(すでに亡くなっていますが…)私の母がそうしてくれていたもの。
妻も、母のやっていたことを引き継いで、家族の誕生日には赤飯を作ってくれます。
その赤飯。
実は赤飯の作り方にも色々あって、母はセイロで蒸す派でした。
しかも、お米は100%もち米。
いわゆる ”おこわ” としての赤飯を、せいろで蒸して作っていました。
食べたことがある方は分かると思いますが、蒸す方法で、しかも100%もち米で作った赤飯は、お米の中までしっかり蒸し上がっても(芯がない状態になっていても)、比較的しっかりした歯応えがあります。
ただし ”おこわ” としての赤飯を作るには、前日に行う
・小豆を炊いて
・その煮汁にお米をつけておく
などの準備だけではなく、当日朝にも、
・まず大きな鍋にお湯を沸かし
・お湯が沸いたらその上にセイロを積んで
・セイロ内のお米&小豆を1時間ほど蒸す
という作業が必要になります。
このため母(と父)は、朝4時ごろに起きて赤飯を蒸して作っていました。
ちょっと大変なのですが、父も母も、蒸して作るもち米100%の赤飯をとても気に入っており、ずっとその作り方を通していました。
対して妻は、炊飯器で炊く派。
母がもち米100%で作っていたのに対し、妻はもち米 2/3 に、うるち米 1/3 を混ぜて作ります。
たとえば、6合の赤飯を炊こうと思うときは、もち米4合にうるち米2合を加えて作ります。
炊いて赤飯を作る場合、うるち米を混ぜずにもち米100%で赤飯を作ってしまうと、炊き上がった赤飯のもち米が柔らかくなり過ぎるのか、赤飯全体がベタついてしまいます。
それを避けるためにうるち米を混ぜ、炊き上がった赤飯がベタつかないようにします。
ちなみに、うるち米とは、普通のお米のことです。
赤飯を、蒸す方法/炊く方法のどちらで作っても、前日の準備作業は何も変わりません。
しかし炊いて作るのであれば、当日の朝の作業はなく、前日の夜に
・小豆の煮汁につけたお米を、
・煮汁ごとお釜に入れ、
・水加減は普段の80%ほどに調整し、
・お米の上に小豆を乗せたら、
・あとは炊飯器のタイマーをセット…
するだけでオーケー。
朝になり、いつもの通りに炊飯器のスイッチが入って炊き上がれば、それで赤飯の出来上がりです。
このようにして ”炊いて作った赤飯” は、”蒸して作った赤飯” に比べて
・柔らかく
・赤い色が濃くて
・小豆の香りが強い
のが特徴。
実は妻も、何度か ”蒸す” やり方で、もち米100%の赤飯を作ったことがあります。
しかし炊飯器で作る ”炊いて作った赤飯” の方がお気に入りのようで、妻は、何度か蒸して作ったあとは、ずっと炊いて作っています。
私が子供のころからずっと食べていたのは、母が作っていた、しっかりした歯応えのある ”蒸した赤飯”。
そのためか、妻が作る ”炊いた赤飯” に、最初は違和感を感じていました。
しかし今では、その柔らかくて色が濃く、やや香りの強い ”炊いて作った赤飯” が、普通になってしまいました。
そう思って見てみると、スーパーやコンビニ等で売られている赤飯(パックに詰めて売られているもの、おにぎり等)のほとんどは、おそらくうるち米を入れ炊いて作ったものだと感じます。
現在では、妻のように ”炊いて赤飯を作る” ことがスタンダードなんでしょうね、きっと。
その現在よりもはるか昔、50年以上前のこと。
私が保育園や小学校に通っていたころには、すでに同じ組/クラスの仲間には、私のような農家の子供はほとんどおらず、クラスメートのほとんどはサラリーマン家庭の子供だったように思います。
私の家の家業は、すでに少数派となっていた農業。
しかも、普通のお米だけではなく、父と母はもち米も作っていました。
そんな父と母だからこそ、もち米100%の赤飯を、昔ながらの作り方である ”蒸して作る” ことにこだわっていたのかもしれません。
妻が作る ”炊いた赤飯” が並んだ今朝の食卓。
その赤飯を美味しく頂きながら、かつて母が作ってくれた ”蒸した赤飯” のことを、ちょっと思い出した…
そんな、次女の誕生日の朝となりました。
