子供の成長はとても早く、ちょっと前に生まれたばっかり…と思っていた私の子供たちも、2020年、長女は大学3年生になり、次女は専門学校へ、長男は中学校へ行きます。今年は次女と長男の卒業が重なった年になりましたが、今日は長男の小学校の卒業式があり、私も出席してきました。
卒業式の最中は、これまで子供たちと一緒に行ったツーリング、その中での苦労や事件を色々と思い出してしまい、あらためて子供の成長を感じていました。
子供たちと初めて一緒に行ったツーリングは、夏休みの能登半島一周キャンプツーリングでした。
そのとき、長女は中学生、次女は小学生、長男は保育園でした。長女と次女は自分で自転車に乗ってツーリングすることはできますが、さすがに長男はそうはいきません。色々考えましたが、このときは「ハンドル部分に、子供の二人乗りシートが付いているシティーサイクル(いわゆるママチャリ)」を友人から借り、そこに長男を乗せてツーリングすることにしました。
また、キャンプツーリングなので、テント、シュラフ、調理道具、4人分の食器類、4日分の米と調味料など、キャンプに必要な荷物一式を運ばないといけません。しかし、いくらママチャリとはいえ、そんなにいっぱいの荷物を積むことは不可能で、これにはさすがに困ってしまいました。
色々調べた結果、サイクルトレーラーというものを導入することにしました。サイクルトレーラーに道具入れのケースを括りつけ、そのケースに荷物を入れて運ぶ方法です(下の写真を参照ください)。これで「長男+いっぱいの荷物を運ぶ」という問題は解決できました。ただ、その当時の長男の体重が20kg、それに荷物が10kg強、合計30kg強の重りをつけて走ることになります。これが後で足を引っ張ることになるのですが、ことときは、まだその重大さに気がついていませんでした…
ツーリングは、金沢市の自宅を出発し、初日は富来の増穂が浦キャンプ場、二日目は輪島を経由して珠洲・折戸の木ノ浦キャンプ場、三日目は能登半島先端の灯台を見て珠洲・能登町の九十九湾野営場、四日目は七尾・和倉温泉を通過して羽咋・千里浜の千里浜オートキャンプ場、五日目に金沢市の自宅に帰る…という4泊5日のスケジュールで、海岸線に沿って能登半島を時計回りに一周するコースで行いました。
「ママチャリ、変速は内装三段…ちょっと心配だけど頑張れば大丈夫かな」と考えていましたが、これが甘かったことを思い知らされました。能登の海岸線の道路はアップダウンがきつい上にとても長く、そもそもママチャリの三段変速では厳しかったのですが、さらに長男と荷物で30kg強の重りがあるため、長女/次女ではなく、私が坂を登れなくなりました。
この年の夏は例年にない暑さで、ツーリングの間も一日の最高気温が37℃を超える日が続く酷暑でした。その暑い最中、長い坂道を私が自転車を押して歩くため、ツーリングのペースが一向に上がりません。その結果、予定時刻にキャンプ場に到着できなくなることもしばしばで、途中二度「ワープ」という奥の手を使いました(二日目の輪島駅跡地から木ノ浦まで、それと四日目のJR和倉温泉駅から千里浜までの部分を、客待ちのタクシー運転手に依頼してジャンボタクシーを手配してもらい、到着したジャンボタクシーに人間・荷物、それに自転車を全部載せて一気に移動しました。この「ワープ」で使った費用は合計で4万円ほどで、正直言って痛かったです…)。
この後も、夏休みになるたびに、お隣の富山県/福井県へ行ったり、夏のスキー場に向かって山岳コースのツーリングに行ったりしました。どれも楽しい思い出ですが、父親としては、最も苦しくて予期せぬトラブルてんこ盛りだった「能登半島一周キャンプツーリング」が一番心に残っています。
子供たちも、父親とは違うそれぞれの趣味/趣向が生まれ、また学校や友人関係の都合なども出てきます。もう一緒にツーリングに行く機会はないだろうと感じており、それはそれで寂しいのですが、それも子供たちが成長したからこそ…と考えて、今後は少し離れたポジションから見守って行きたいと思います。
妻は、ロードバイクのヒルクライムレース/ツーリングに入れ込んでいる私を見ながら、「あなたが一番成長していない」と思っているかも…