ツール・ド・北海道で発生した事故に関して

今日は、9月23日(土)。

約2週間前の9月8日(金)に開催された「第37回 ツール・ド・北海道」ですが、報道にある通り、初日の8日のレース中に、参加選手が一般車両と衝突する事故が発生しました。

このため、3日間に渡るすべてのレースがキャンセルされました。

 

また残念なことに、事故にあった選手は亡くなられました。

亡くなられたのは大学生だったとのこと。

謹んでご冥福をお祈りします。

 

 

大会を主催していた「ツール・ド・北海道協会」の会見によると、事故が発生した状況などの詳細については調査中で、9月23日時点では、まだ事実関係が正式に公表されている訳ではありません。

しかしニュースで報道されている内容、あるいはネットで公開されている情報等を見ると、どうやら以下の3点が事故に大きく関係しているようです。

 

(1)事故が発生した道路は交通規制の対象区間で、事故発生時一般車両は通行禁止だった。しかし、事故の該当一般車両はその通行禁止区間を走行していた。

(2)会見の席上、主催者からのコメントとして、「交通規制の対象区間であっても、レースで使用できるのは片側一車線だけである。そのことは、チーム/選手に対しては『対向車線にはみ出さないように』との注意喚起を通して知らせていた」と発表された。

(3)しかし、多くの参加選手は「対向車線にはみ出してはいけない」とは思っていなかったようで、亡くなった選手も、前を走っている集団を追い越すために、ブラインドの右カーブで対向車線にはみ出したようだ。

 

 

ロードレースとヒルクライムという違いはありますが、私も一般道で開催されるレースに参加しています。

そのこともあり、発生した「ツール・ド・北海道」の事故に関し、私なりの考えを書いておこうと思います。

 

 

私が参加したことのあるレースは、ほとんどが一般道(県道や市道のような道路)で行われるヒルクライムレースです。

たとえば「榛名山ヒルクライム」、あるいは「乗鞍ヒルクライム」が、そのようなレースです。

それらのレースにおいても、「ツール・ド・北海道」と同様に、主催者は、事故が発生することを防止するため、レース/大会の実施の時間帯にあわせ一般車両の通行を規制しています。

 

 

一方レースの参加者には、事前に、主催者から色々な書類が届きます。

届く書類の中には、ほとんどの場合「競技上の注意事項」というものが含まれています。

その記載内容には、自転車のレギュレーションや装備の条件に加え、ほぼ例外なく「対向車線にはみ出さないように」という文言が含まれています。

(ほぼすべてのレース/大会では使用する道路の交通規制が実施されるのですが、これまたほぼ例外なく「対向車線にはみ出さないように」との注意事項が書かれています)

 

注意事項には書かれていますが、私を含めてほぼすべての参加選手は、今回の事故のように「対向車線に一般車両が走ってくる可能性がある」とは思っていません。

加えて、「場合によっては対向車線を走らないといけないときもある」と思っています。

 

事実、過去参加したレースにおいて、

・先行している集団がいる
・その集団が車線いっぱいに広がっている

ときは、私を含めて多くの選手は、自分が対向車線に出ることで集団を抜いていきます。

またそのような状況が発生していることは、コース上の大会関係者(誘導等の係員、審判車両、オートバイ等の先導車)の方々も、よく知っていると思われます。

そして知ってはいても、実際に選手に対して「対向車線にはみ出さないように」との注意することはなく、私もレース中にそれを言われたことはありません。

 

これは主催者としても、対向車線にはみ出して走ることは、「場合によってはしょうがない」と考えて黙認しているからだと思っています。

というのも、それを認めないと、

・速く走っている選手が
・遅い選手に道を阻まれて
・先に進めない

という状態になってしまうからです。

 

”レース” とは、「できるだけ速く走り、誰よりも先にゴールに着く」ことで「時間/順位を競う」ことが目的です。

なので、速い選手が先に進めない状態が続いてしまうと、その大会がそもそも「”レース” として成立しない」ことになってしまいます。

 

対向車線に一般車両が来るとは思っていませんが、ヒルクライムのレースにおいては、先にレースを終えた選手が、対向車線を下山して走ってくる可能性があることは認識しており、それは参加選手全員の頭に入っています。

下山する選手も、まだレース中の選手が走っている(上ってくる)ことを邪魔しないように、自分の車線の左端に寄って、かつスピードを落として下山しています。

 

 

「ツール・ド・北海道」は、私が先日参加した「ツール・ド・のと」のような ”サイクリング・イベント” とは異なり、UCI公認の国際規格の ”レース” です。

このため、レースリーダー、あるいは後続の集団等の前には先導車(マーシャル)が走っていて、コース上に障害物等がないか等をチェックしているはずです。

もし、交通規制区間で対向車線に車がいるようなら、車のドライバーに「止まってください」と声をかけるでしょうし、選手に対してもクラクションや笛などで知らせるでしょう。

 

そのようなことがあり、ヒルクライムレースに参加している私以上に、「ツール・ド・北海道」に参加する選手は、交通規制が行われている区間において、

・対向車線から一般車両が来る可能性がある
・その一般車両と衝突するリスクがある

という認識は少ない(いや、その認識は無い)と推定します。

 

 

選手が負うべきリスクについて言えば、「ツール・ド・北海道」に限らず、どんなレースでも、

・自分が落車する
・他選手の落車に巻き込まれる

など、「落車」での事故/怪我については「自らが負うべきリスク」と、選手は考えているでしょう。

私もそうです。

 

しかし、交通規制が実施されている道路で、「一般車両と衝突事故を起こす可能性がある」ことは、どの選手も考えていません。

少なくとも、私は考えていませんでした。

 

それに、招待選手や大会のアンバサダーではない一般の参加選手は、「相応の費用」を払ってレース/大会に参加しています。

もちろん運営側としては、交通規制を行っているスタッフにはボランティアの方々が多い等の事情があり、(参加者が費用を払っているからといって…)そのボランティアのスタッフの方々にまで、「多くの責任を求めることはできない」と考えているでしょう。

しかしそうであったとしても、対向車線に一般車両がいる可能性まで「選手が負うべきリスク」とするのは、正直に言って、選手に対して余りに酷だと思います。

 

それを参加選手のリスクにしてしまうと、

・交通規制が行われていない一般道で
・自分たちが勝手にレースを行っている

という状況と変わらないことになります。

(これだと、参加選手やチームは、お金を払ってレースに参加しているにもかかわらず、「町おこし」のためにうまく使われているだけ…とも感じてしまいます)

これはあり得ません。

 

 

一般道で行われているとは言え、”レース” であることを考えると、通行規制を行っている道路に「一般車両が入り込む可能性がある」ことは、あまりに危険だと私は感じます。

また、通行規制を行っている道路において、一般車両が迷い込む可能性を「選手側のリスク」とする考え方が、多くの人に受け入れられるとも思いません。

しかし主催者側が、参加選手/チームに対してそのことを注意事項として告知済みであるから…ということで「選手側のリスクとする」という立場をとるのであれば、ロードレースには、いや、ヒルクライムレースにも、参加する選手はいなくなると思います。

もしそうなったら、私自身は、どんなに規模が大きくてネームバリューがあったとしても、そのレース/大会には参加しません。

 

 

参加選手としての立場からの意見とはなりますが、私は、今回の事故からの教訓として、レース/大会の主催者には、以下の二つの再発防止策を検討いただきたいと思っています。

まず一つ目は、「交通規制をしっかり行う」こと。

そのために参加費が値上げされるとしても、選手/チームはそれを了解した上で、そのレース/大会にエントリーすると思います。

 

二つ目は、現状では違反を黙認している(と思われる…)「対向車線にはみ出して走らない」ことを、全選手に徹底させること。

たとえば、

・後ろから速い選手が来たら道を譲る
・道を譲らない/対向車線にはみ出す
 →その選手にはペナルティーを与える

などのルールを整備し、レース中に(リアルタイムに)審判による判定が行われる方式が望ましいと感じます。

整備したルールが全選手に平等に適用され、かつレース結果に不公平が出ないなら、選手はそれに従うと思います。

 

 

今回の事故の教訓として、上記二つの再発防止策を考えてみました。

両方を実施できればベストですが、仮にどちらか一つであっても実施できるのであれば、一般道を使用したレース/大会は今後とも開催でき、かつ一般車両との衝突事故も防ぐことができると思います。

 

 

しかし、そのいずれも実施できないとき。

そのときは、事故の再発防止は非常に難しいと思います。

そして、そのときは…

 

私を含めた多くの選手が望む結論ではないと思いますが、

「一般道を使ったレース/大会は開催しない」

これしかないのかもしれません。

モチベーションの源

昨日 9月7日(水)も色々やることがあり、トレーニングができないまま一日が過ぎました。

 

新型コロナ明けでやることが満載…という「都合のいい言い訳」があるため、ここしばらく、まったくトレーニングを行なっていません。

 

私はこれまで、”ヒルクライムレースに出場する” ことをモチベーションに、トレーニングを続けてきました。

しかし、2020年に始まった新型コロナ感染拡大の影響で日本中のヒルクライムレースが中止となってしまい、私のトレーニング対するモチベーションが低下してしまいました(「ヒルクライムレース」)。

 

これではいかん。何か考えないと…

ということで、私は自分の物欲を刺激することで、モチベーションを再び向上させる…ということを行ってみました。

 

トレーニング再開&ニンジン/飴チャン
気持ちを保つ
ニンジン/飴チャンの妄想
ニンジン/飴チャン その2
DOGMA F12が目の前に…
神様…

 

物欲を刺激することで、たしかに一定期間はやる気が出ました。

しかし、物欲が満たされ、手に入れた物からの刺激に慣れてしまうと、元の木阿弥…

私の場合、それだけではやる気がどんどん減っていくようです。

 

 

そんな思いを抱いた一昨日の9月6日、何気なくスポーツサイクル・イシノさんを訪ねてみたところ、あるものを見つけました…

ツール・ド・おきなわ

 

そう、「ツール・ド・おきなわ」の申し込みのパンフレットです。

 

「ツール・ド・おきなわ」、有名です。

開催される市民レースで走行距離がもっとも長いのは「210km」。

「まあ、距離としては走れなくはない…」と思ってパンフレットをチェックしてみると、なんと獲得標高は「3,000m」。

これ、私が走ったことのあるライドでいうと、白山一周と同程度となるようです(「白山一周…しました!」)。

 

いやー、無理無理…

 

この白山一周がきっかけで、私はアキレス腱を痛めてしまい(「ブラピの痛み…」)、その後の無理もあってしばらく走ることができなくなりました。

 

レースをしながら、獲得標高 3,000mを走る。

うーん、ちょっと想像できないです…

 

「市民レース 100km」は、獲得標高が「1,900m」。

普段走っているコースで考えると、同じ走行距離でも獲得標高は2倍。

 

今年は色々やらないといけないことがあって参加は難しいかもしれませんが、来年、2023年の参加に向けてトレーニングを積んでいく…

 

おー、俄然やる気満々になってきました。

やはり私は、レースに向けてでなければ、モチベーションを維持することはできないようです。

 

 

合言葉は「ツール・ド・おきなわ」。

しばらくは、これで行きたいと思います!

 

 

追伸

妻に「(応援するために…)一緒に沖縄に行く?」と聞いてみたところ、「えー、お休みもらえるかな…」との回答。

 

おや?

「絶対イヤ!」じゃないんですね。

 

ふーん。

もうひと押し…ですかね。